ふだん靴の汚れや傷みを、どれぐらい気にしているでしょうか?
1.靴磨きの道具セット一覧(使用順)
2.靴磨きの手順
3.STEP1 馬毛ブラシでブラッシング
4.STEP2 汚れ落とし布・水性クリーナーで汚れを拭き取る
5.STEP3 乳化性クリームで保湿する
6.STEP4 豚毛ブラシでブラッシング
7.STEP5 布で乾拭きする
8.補足1 靴側面の色抜けを補色したいとき
9.補足2 靴底を保湿したいとき
10.店頭での靴磨きと商品販売のご案内
11.最後に
1.靴磨きの道具セット一覧(使用順)
① 靴用馬毛ブラシ
② シューツリー(靴の形状を整える役割)
③ 汚れ落とし布(コットン生地)
④ 水性クリーナー(汚れ落とし)
⑤ 乳化性クリーム(保革)
⑥ 靴用豚毛ブラシ
⑦ コバ用着色剤(靴側面の色抜けを補色)
⑧ ソールクリーム or オイル(靴底の保湿)
2.靴磨きの手順
基本的には、靴磨きの手順は以下のようになります。
STEP1 馬毛ブラシでブラッシング
STEP2 汚れ落とし布・水性クリーナーで汚れを拭き取る
STEP3 乳化性クリームで保湿する
STEP4 豚毛ブラシでブラッシング
STEP5 布で乾拭きする
以上の工程によって、靴の革をしなやかに保つことができます。
それでは、それぞれの工程を詳しく解説していきます。
3.STEP1 馬毛ブラシでブラッシング
まずは馬毛ブラシでブラッシングし、チリやホコリを取り除きます。
馬毛ブラシはある程度張りがありながら、弾力もあって柔らかい点が特徴です。
このブラッシングによって、靴の表面のチリや、「コバ」と呼ばれる靴側面のホコリを落としていきます。
シワの入っている靴をブラッシングする場合は、シューツリーを使うのがおすすめです。
シューツリーは「靴のハンガー」と呼ばれており、靴の中に入れることでシワを伸ばすことができます。
シューツリーを靴の中に入れ、シワを伸ばした状態で馬毛ブラシをかけると、ホコリを落としやすくなります。
また、「タン」と呼ばれる足の甲部分も綺麗にしたい場合は、あらかじめ靴紐を全部外した状態で馬毛ブラシをかけます。
内羽根の靴の場合は、閂止め(アイレットの一番下にある羽根を固定している縫い糸)に負担がかかるため、紐を完全に取ってしまうことはお勧めできません。下の写真のようにしましょう。
4.STEP2 汚れ落とし布・水性クリーナーで汚れを拭き取る
靴全体を馬毛ブラシでブラッシングしたら、次は靴の汚れを拭き取ります。
当店では、コットン100%の汚れ落とし布を使用しています。
水性クリーナーを適量含ませた汚れ落とし布で、靴表面についた古いクリームや汚れを拭き取っていきます。
5.STEP3 乳化性クリームで保湿する
顔を洗うのと同様、靴も汚れを落としたあとには保湿が必要です。
乳化性クリームを少量とって、靴全体に広げます。
クリームの色味は基本的に靴に合わせてお選びください。
乳化性クリームは水・油脂・蝋を含み、適度な水分と栄養となる油分を補うので、柔軟性のある革に仕上がります。
当店では、保革にオリジナルの乳化性クリームを使用しています。
一般的に、乳化性クリームは油性に比べて艶が出にくいと言われていますが、THE WAY THINGS GO オリジナルクリームは、乳化性でありながら油性クリームのような強い艶感を得られます。
【その他のクリームの種類】
・油性クリーム
水分が入っていない、油分を中心としたクリーム。
非常に強い着色効果と艶が簡単に出せる反面、浸透するのに時間がかかり、ベタつきが多く、硬化も早いです。頻繁にケアしなければ、革自体も硬化するリスクがあります。
蝋分が含まれない、水分と油分で構成されたクリーム。
水分を 70~80%程度含み、ゲル状になっています。配合油分が非常に少なく、薄い色の靴で起こる染み込みジミのリスクを軽減できるクリームです。
簡単に革を柔軟にすることができますが、すぐに揮発するため、乳化性と併用される方が多いです。
6.STEP4 豚毛ブラシでブラッシング
乳化性クリームを広げ終わったら、固くコシのある豚毛ブラシで全体をブラッシングします。
このブラッシングにより、塗り広げたクリームが均一にのびることで、靴にツヤを出すことができます。
7.STEP5 布で乾拭きする
クリームのべたつきをなくすため、布で靴表面を拭き上げます。
このときの布も、当店ではコットン100%の生地を使用しています。
乾拭きすることによって、靴がサラサラの質感へと仕上がります。
さて、ここまでがご家庭で可能な基本的なケアとなりますが、最後に
・靴側面の色抜けを補色したいとき
・靴底の保湿したいとき
の二点を仕上げ作業として補足させていただきますので、ぜひご参照ください。
8.補足1 靴側面の色抜けを補色したいとき
コバ(=靴の側面)の色抜けが気になる際には、コバ用着色剤で色抜け部分を塗ります。
当店では、SAPHIRが発売している「Edge & Heal Restorer コバインク」というペンタイプの着色剤を使用しています。
9.補足2 靴底を保湿したいとき
靴底が革でできている場合、履いているうちに乾燥が進み、靴のダメージの原因となります。
ソールクリームやソールオイルを仕上げに塗ることで、革製の靴底を保湿することができます。
10.店頭での靴磨きと商品販売のご案内
TWTGでは、店頭で職人による靴磨きを実施しています。
プロの靴磨きをご要望の場合は、ぜひ店頭までお越しください。
また、当ブログで紹介した靴磨きの道具セットも本サイト上で取り扱っております。
ご入用の商品がございましたら、こちらもぜひご利用ください。
11.最後に
いかがでしたでしょうか?
今回は、初心者の方にもわかりやすい靴磨きの基本的な手順と道具を紹介させていただきました。
靴磨きに興味を持っていただけましたら、ぜひご家庭でも実践してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。